私たちは、長寿地域「ブルーゾーン」として注目され、
Well-beingを重視する関係者の間で注目されている
沖縄県やんばる地方で次世代の生き方と暮らし方を
学び、実践する活動をしています。
地域の人々と手を携え、自然の声を聴きながら、
これからの時代にふさわしい社会のかたちを共に描き、
いずれ日本と世界に発信していきたいと考えています。
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やんばるカーボンニュートラル/
再生可能エネルギープロジェクト
太陽、大地、風の力をエネルギーに
やんばるの豊かな自然と調和する
再生可能エネルギーのあり方を探っています。(一財)電力中央研究所の協力のもと、
将来的には地域でつくる電力を地域で活かし、
地元に根ざしたカーボンニュートラルな
暮らしの実現を目指します。 -
やんばるワーケーションプロジェクト
自然の中で働く、新しいワークスタイル
自然に囲まれた環境の中で業務を行う
ワーケーションの
試行が始まりました。
この取り組みは、豊かな自然の中で働くことで、
知的生産性や創造性の向上を目指す実験です。
自然の力を活かした
働き方で、
自分の可能性を広げる一歩を踏み出します。 -
やんばる空き家リノベーション
空き家にもう一度あかりをともす
使われていない家屋を再生し、
住まいの確保のみならず、
カフェ、体験拠点、
そして地域住民がゆんたくできる場として再生し、
地域の活性化を目指します。取り組みを通じて新たな交流を生み出します。
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やんばる皆の学校
老若男女がともに学び教える学校
スウェーデンで180年の歴史があるフォルケホイスコーレ
“人生の学校”は、
対話しながら自分への問いを深める
北欧発の学びのスタイル。だれもが自由に学び、人生を豊かにする学校を
やんばるにつくれないか模索しています。 -
やんばる×全国 コラボ製品開発
特産品でやんばると全国をつなぐ
やんばるの豊かな自然が育んだシークワーサーや
パイナップルなどの特産品と、他の地域の特産品を融合させ、
これまでにない魅力的な商品を生み出します。地域の特色を活かし味覚だけでなく、
地域の文化やストーリーを
感じられる製品開発を目指します。 -
安藤ハザマ×武蔵野大学×
電力中央研究所
やんばるから広がるWell-beingと学びの環
やんばるをフィールドに、自分の地域の地球の
Well-beingを探究しています。環境、文化、暮らし、教育、地域経済など
多領域を横断しながら、
個々の取り組みが相互に影響し合い、
地域全体の価値を高める循環を生み出します。 -
2024年度 現地調査
やんばる地域の幸福度調査
地域幸福度指標に基づきアンケートを実施し、
やんばる地域275名の方からご回答をいただきました。10段階評価の「10とても幸せ」と回答した方は全体の24%。
平均値は「7.6」となっており、全国的にみても
幸福度の高いエリアであることが再確認できました。 -
2025年度 現地調査
地域コミュニティの調査
幸福度の高さと地域に複数残る
共同売店の関連に着目し、
店主、従業員、顧客、仕入れ業者にヒアリングを実施。共同売店が地域のコミュニティハブとして、
行政だけではカバーできない集住体を
補完・維持する重要拠点になっている
状況がわかりました。
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ここにあかりが
ついていることが大事浜共同店 店主
山城さん
(やんばる共同売店組合 会長)若いころに集落を離れた山城さんは、退職して地元に戻ると共同売店が閉店していることを知りました。高齢者が気軽に立ち寄れる場を残したいと、自ら運営を引き受けたそうです。
近隣にコンビニエンスストアができ、共同売店が減少。浜共同売店も経営が厳しく、毎年赤字が続きます。「コンビニは便利ですが、地域のつながりは生まれません。」と山城さん。コロナ以降は家から出ない高齢者も増え、公民館も常駐者不足で交流拠点として機能しておらず、人が集まる場所が減少しています。共同売店も資金や人手に余裕がなく、十分な取り組みはできていない状況です。
それでも山城さんは「ここにあかりがついていることが大事。」と言います。気軽に立ち寄れ、地域のつながりを支える小さな拠点として、共同売店を続けていきたいという思いが伝わってきました。
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外から来た人は
ぜひ声をかけてほしい田嘉里共同売店 店主
金城さん「ここは売店というより、集落の“入口”なんです。」金城さんはそう言いながら、地域の民具や映像を展示したスペースを見せてくれました。訪れた人が、やんばるの自然や文化を知るきっかけになるよう整えてきたといいます。
200人ほどの集落では、地域の人が気軽に立ち寄り、観光客との接点にもなっています。金城さんは予約制の集落ツアーも行い、暮らしの歴史や森との関わりを案内しています。
また、仲間と立ち上げた「やんばるリンクス」では、林道パトロールや高校での授業、ゆんたく座談会、ガイドブック制作など、地域と自然を守り伝える活動も続けています。
「外から来た人は、ぜひ声をかけてほしい。話すのは大歓迎です。」金城さんの言葉からは、地域と訪れる人をつなぐ思いが穏やかに伝わってきました。
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農業と交流で
やんばるを盛り上げる奥集落 農家
比嘉さんかつての奥集落には毎日お茶をみんなで飲む習慣があり、共同店を中心に自然と人々が集まったそうです。「自分の畑の作業が終わったら他の畑作業を手伝っていく、家族のような集落だった。」と比嘉さん。国道58号線がなかった時代には、共同店で船を所有し、那覇に営業所を構えるほど木材業を中心に産業も活発でした。現在も形を変えつつ人の活力は息づき、奥共同店や比嘉さん家族が営む沖縄そば店「サツキ丸」では、ゆんたくと人のつながりが大切に受け継がれています。
辺戸岬に近く、観光客や海外からの来訪者が集落を散策し交流を楽しむ姿も見られ、今後は世界自然遺産を活かしてシークワーサーなど柑橘類の販路を広げていきたいそうです。若い世代にも魅力ある農業と交流で「やんばる」を盛り上げたいという想いが伝わってきました。
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ここにいて良い
という感覚大宜味村社会福祉協議会
前田さん/眞喜志さん“大宜味村のしあわせのカタチとは何か、この村ならではの幸せの要素とは何か”を前田さん、眞喜志さんに伺いました。
「人口が少ないこの村では、誰かの考えや役割が埋もれにくい。ひとりひとりの声を大切に扱い、自分の存在がここにあると実感できる。そんな認め合いの積み重ねが、村の日常を支えているのだ。」とお二人は言います。村では、誰がどんなことをしているのかを皆が共有し、それぞれの活躍の場が静かに尊重されています。
やんばるらしい幸福とは「受け入れられている安心感」と「ここにいて良いという感覚」なのかもしれません。
お二人の言葉や眼差しからは、村の人々の声を数多く受け取ってきた時間の重みが伝わってきました。迷いや難しさを抱えながらも、それでもこの村と共にあり続けようとする、まっすぐな想いがそこにありました。
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暮らしと人を
大切に思う塩屋売店 元店主
宮城さん(金ちゃん)塩屋売店の元店主・宮城金一さんは、周りから「金ちゃん」と呼ばれています。ガジュマルの木の下で、自然とひらかれるゆんたくの時間は、日々の暮らしの中で皆がほっと息をつける場所。
そこに居る人は、日々の暮らしと人を大切に思う、静かであたたかな想いが伝わってきました。そこで飲みながら、嬉しかったこと、抱えているもやもやをぽつりと話す。金ちゃんはひとつひとつに耳を傾けながら、そっと手を差し伸べてきました。そんな何気ないやりとりが、集落に流れるやさしい安心感を支えています。
金ちゃんは、古いバイクやビンテージの機械を直せる確かな腕も持っています。本州から修理の依頼が届くほどの技術ですが、それも誰かの困りごとに応えるために使われているようでした。
人の話を聞き、手を動かし、この場所に居続けること。その姿からは、やんばるの暮らしと人を大切に思う、静かであたたかな想いが伝わってきました。
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自分らしさを
育てていく辺土名高校
桃原先生生き物が好きで自然に親しんできた子も、そうでない子もいる中で、「どの生徒にも、このやんばるの自然を身近に感じてほしい。」と桃原先生。森や海だけでなく、地域の伝統や文化にも触れながら、自分の暮らす場所を好きになってほしいと話します。「授業と同じくらい、体験を通して感じることを大事に。自然の中で過ごし、人と関わる時間が、やがて“自然にも人にも思いやりのある人”を育てていく。」そんなふうに生徒たちの成長を願っています。「学校生活の中で草むしりをしていると、生徒が声をかけてくれることがあります。」何気ないやりとりを嬉しそうに話す桃原先生の姿から、生徒との距離の近さと、この学校に流れるあたたかな空気が伝わってきました。やんばるの自然とともにある辺土名高校で、生徒たちは安心して過ごしながら自分の居場所と向き合い、自分らしさを育てていることが感じられました。
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歩幅を合わせず
理解すること大宜味村観光協会
大﨑さん大切なのは「通う人間」ではなく、「居る人間」であることだと大﨑さん。住民票があり、地域との関わりを持ちながら生きていること。その「関係性」が何よりも重要だと話してくれました。
大﨑さんは、本土からこの村へ来る高校生や大学生の研修にも関わる中、一貫して大切にしているのは、相手の人間性を理解したうえで言葉を伝えることだそうです。無理に歩幅を合わせるのではなく「理解すること」が大切だと語っていました。
大宜味村の豊かな自然そのものが学びの場であり、観光に投資するよりも学びに投資すべきだと大﨑さんは考えています。
都会から田舎へと移り変わり、周囲が徐々に暗くなる景色が、自分の気持ちを静かに取り戻せるような大切な時間となっています。